日本語 PDF の閲覧には通常 acroread (Adobe Reader の Linux 版) を使っているのだが、今更の感はあるけれど、これを K デスクトップ環境(KDE)の標準 PDF ビューワー Okular でやってみようと思い立った(ま、暇つぶしです)。

和文フォントが埋め込まれている PDF ならば、もちろん何の問題もない。そのままファイルを開くだけである。

困るのは、和文フォント非埋め込みタイプの PDF だ。

小生の Gentoo マシンだと全てのフォントがゴシック体の和文フォントに置き換えられてしまう。
これでも読めないことはないが、あまり気分のいいものではない。
できることなら、ゴシック体はゴシック体として、明朝体は明朝体として表示できるにこしたことはない。

そのためには、fontconfig を適切に設定する必要がある (これ、TeXWiki の Texmaker 関連の記事などで指摘されていることである (参照))。


で、Gentoo Linux の場合の設定はどうすればよいか。
Gentoo 版 fontconfig の基本は Gentoo Wiki に詳しい説明がある(参照)。
これを読むと、要するにユーザー独自の設定を local.conf という新規ファイルに記述して、/etc/fonts ディレクトリに置けばよいとある。



小生のマシンには Mac のヒラギノフォントと Windows の MS フォントをインストールしてある。
このような場合、local.conf の記述はそれぞれ以下のようにすればよい。

(なお、Adobe Reader 付属の小塚フォントでも同様の設定が可能だが、ライセンスの制約があるので、ここでは割愛)


【ヒラギノフォントを用いる場合の local.conf】
<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<fontconfig>

<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>Ryumin</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>Hiragino Mincho ProN</string>
</edit>
</match>
<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>GothicBBB</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>Hiragino Kaku Gothic ProN</string>
</edit>
</match>

</fontconfig>



【MS フォントを用いる場合
の local.conf
<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<fontconfig>

<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>Ryumin</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>MS MINCHO</string>
</edit>
</match>
<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>GothicBBB</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>MS GOTHIC</string>
</edit>
</match>

</fontconfig>




例えば、ヒラギノフォント用の local.conf で、和文フォント非埋め込み PDF を Okular で開き、 “Properties > Fonts” のダイアログを見ると、以下に示すように、確かにヒラギノが使われていることが分かる。





ちなみに、同じ PDF を acroread で開いたときの “Properties > Fonts” は下図のようになる。
当然ながら、この場合は小塚フォントが使われている。





このように、local.conf を用いて fontconfig を適切に設定しておけば、Okular だけでなく、日本語
PDF を扱う他のアプリ、例えば Texmaker などで 内蔵の PDF ビューワーに和文フォント非埋め込みタイプの PDF を表示させることができる。


下の例は、
 
platex -interaction=nonstopmode -synctex=1 %.tex
dvipdfmx %.dvi
 
の一連のコマンドで生成した PDF を内蔵 PDF ビューワーで表示させたところ。
上の Okular 同様、ヒラギノフォントが使われている。